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マセラティ:グランツーリスモのバーチャル・フォーリイセリエを公開

何とも奇妙なグランツーリスモが現れました。これはギブリ・フラグメントを手掛けた藤原ヒロシ氏によるグランツーリスモ・フォルゴーレをベースにデザインされた。

正式な名称は、「グランツーリスモ・ワンオフ・ウロボロス」と言うそうで、「ウロボロス」とは、古代ギリシャ語の言葉で、「尾を食む者」という意味で、この言葉は、蛇が自分自身の尾を食べている姿を表現したシンボルで、永遠の循環、創造と破壊、再生と変化を表すという。ウロボロスは、古代の哲学や宗教、錬金術などでしばしば使用されるシンボルであり、現代でも芸術や文化などで使用されることがあるという。いずれにしても聞いたことも無い言葉だ。
過去のマセラティのいくつかのモデルのディテイルを拝借して、取ってくっつけたようなグランツーリスモ、とても美しいグランツーリスモとは、筆者には思えない。。。
しかし安心してください。これは実車ではなく、バーチャルフォーリイセリエである。

ウロボロスのデザインは、A6GCS Berlinetta Pininfarinaのフロントグリルと3500 GTのサイドエアインテークを組み合わせ、60年代のレーシングカーに特徴的なラウンドカバーのヘッドライト、例えばTipo151を思わせる。新しい鍛造ホイールは、70年代にボーラが導入した先駆的なマグネシウム合金ホイールにインスパイアされいる。また、リアの連結テールライトバンドは、80年代から90年代のシャマルの革新的なデザインを参考にしているという。

このグランツーリスモ・ワンオフ・ウロボロスは、ミラノデザインウィークで、プレゼンテーションされ、デザイナーの藤原ヒロシ氏はインタビューでの話でこう言っている。
「グランツーリスモ・ウロボロスは、マセラティのデザインの様々な時代と現代のグランツーリスモの世代との視覚的、文化的なつながりとして構想されました。私たちはマセラティのチームと協力して、技術とパフォーマンスの最高峰と、数十年にわたって神話を生み出し続けたスタイルのアイコンとのつながりを作り出すために取り組みました。」

しかしながら、藤原ヒロシ氏のストリートファッションは、都市部で生まれ育った若者たちが、音楽やアート、サブカルチャーなどからインスピレーションを得て、自分たちなりのファッションを創り出したスタイルだ。一方、マセラティは高級スポーツカーブランドであり、歴史的な伝統と洗練されたデザインに重きを置いている。これら二つの要素は、ストリートファッションとマセラティのコラボレーションがミスマッチである理由は明らか。確かに、ミスマッチした組み合わせが時には面白いものを生み出すこともあるが、ただし、ビジネスにおいては、ブランドイメージやターゲット層などの要素を考慮する必要があると考える。マセラティはスポーティでエレガントな高級車ブランドであり、そのイメージやターゲット層を考えると、ストリートファッションの藤原ヒロシ氏とのコラボレーションは、違和感があるのは筆者だけではない。ビジネス上は、顧客がブランドとのつながりを感じ、応援したくなるようなコラボが普通は求められる。だから誰も買わないフォーリイセリエなのか。

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