今やヒルクライムレースで最も有名になったのが、このヴェルナスカシルバーフラグだ。
1953〜1972年に開催されたカステル・アルクアート〜ヴェルナスカ間の8.9kmヒルクライム・レースが起源で、1953年にピアチェンツァ自動車クラブ(CPAE)が主催した伝説的なカステル・アルクアート・ヴェルナスカ・ヒルクライムに遡る。
その後1時休止されたが、1994年に“ダイナミック・コンコース”として復活。34のタイトコーナーを誇る往時のコースをそのまま使用し、静止展示でなく走行を楽しむクラシックカーイベントである。今回は筆者もこのコースをレンタカーではあるが走って見た。日本で例えれば箱根ターンパイクより狭い、どちらかといえば御殿場から箱根へ登る裏街道の道がそれに近い感じである。明らかに違うのはやはり周りの景色だろうか。日本のように民家が点在もしないし、電柱や電線もないので、イタリアの丘陵地帯は本当に綺麗だ、民家はほとんど見当たらない、空の青と緑の草原だけが広がる。
今年は29回目の開催 — 歴史を讃えるテーマ
6月13〜15日に29回目が実施され、今年のテーマは1975年イタリア自動車黄金時代。
ASIの協力でバイオ燃料導入など環境配慮も推進され、碳中和を意識した取り組みも評価されている。
主催:Piacenza Automotoveicoli d’Epoca(CPAE)
- FIVA Premier Eventに分類され、190台が参加
- 開催地:ピアチェンツァ県カステル・アルクアート発、ヴェルナスカ着の27kmエリア
登場車両のハイライト
- FIAT 130 HP(1907年) — モナコGPを勝利した歴史的レースカー
- Alfa Romeo 6C 1750 Gran Sport(1933年) — ソフィスティケートされたクラシックモデル
- Lancia Fulvia Sport Zagato Competizione — ヒルクライム実績を誇るイタリア車
- Lancia Stratos(1975年型) — ラリー黄金期を象徴するシンボル
- 他、フォミュラーカーやモノポスト、GTプロトタイプなども多く参加。
マセラティクラシケ部門もヴェルナスカをサポートしエントリーしている。マセラティクラシケを担当するクリスチャン・ボルゾーニ氏も参加してマセラティ本社が歴代の貴重なマセラティを大切している証だ。
筆者はこれで2度目のヴェルナスカだが、クラシックからヤングタイマーまで、どんなジャンルのスポーツカーでも走れるので、エントリーはミッレミリアよりハードルは低い、今や日本人もエントリーする程、ローカルなイベントから国際的なイベントに成長していると感じた。日本ではクルマのイベントとなるとネガティブに考える1部の人が存在するのだが、このようにイタリアではクルマのイベントは多種多様でありながらも、スポーツカーを愛するエンスージャストよって支えられている感が強いのだ。