イタリアの自動車メディアの1部の報道で、「ランチアよりフェラーリの販売が上回った」という話が出回っている。
出処はここのサイトなのである。確かに数値を比較すると驚いてしまうのだ。
記事によれば、フェラーリは 7,087台(1~6月) を出荷したとされている。MotorisuMotori.it
対するLancia(主に Ypsilon モデル)の登録実績(1~6月) 記事では、同期間に Lancia の “Ypsilon” 登録台数(“immatricolazioni”) が 約 6,500台 と報じられているのだ。
上記の数字のみを見ると確かに驚いてしまう。この 7,087 対 6,500 という数値比較をもとに、記事は「高級スーパーカー(フェラーリ)が、一般車(Lancia Ypsilon)より売れている」という文脈で「売れている」と表現しているが、しかしこの数値の比較は少々乱暴な比べ方である。
この記事は興味を引く切り口で書かれており、キャッチーですが、異なる指標を混ぜて比較している可能性が高いため、論理的には慎重な読み方が必要だと思う。ただし、フェラーリ自身が出荷実績 7,087 台 と公表しており(公式 IR 情報)ので、記事がこのフェラーリ側の数字を引用している点は誤りではないが、問題は Lancia 側の “6,500台” という数字の取得元。それが UNRAE 登録統計に基づくものであれば妥当ですが、記事自身は“dati Unrae”と記すのみで表名・項目名を省略しており、読者が同じ土俵での比較がし辛くなっているのは間違いない。
ひとつだけ確実なのはランチア・イプシロンはデビューして既に1年以上を経過しているが、先代イプシロンのようなベストセラーカーにはいまだ程遠い状態であるのは間違いない。奇しくもHFやHFラインという追加モデルをランチアは投入してきたので、販売台数を増やすのにも今が正念場である気がする。そして現在販売エリアがEU圏のみであるので、世界中に販売エリアを拡大することが、売り上げ増に繋がると確信している。もちろん日本もターゲットにして欲しい。このクラスのサイズであれば、左ハンドルであっても、左側通行の国でも何らの苦にならないドライビングだと確信している。そしてアルファロメオより知名度は高くはないが、絶対的なランチスタは少なからず一定数は日本にも居るからだ。