長い沈黙を破り、ランチアが再びフラッグシップモデル「ガンマ(Gamma)」を世に送り出す。
往年の名車の名を受け継ぎ、2026年に登場予定の新型ガンマは、ランチア再興計画「Lancia Renaissance(ルネサンス)」の中核を担う存在となるのだ。
⚙️ STLAプラットフォームで生まれ変わる“静的エレガンス”
新型ガンマは、Stellantisグループの最新アーキテクチャ「STLA Medium」プラットフォームを採用。
この基盤は、電動化とハイブリッド両方に対応するマルチエネルギー構造で、EV化時代の主役となる設計。
ボディ形状は流麗なファストバックサルーンで、かつてのピニンファリーナ設計 Gamma を想起させるのだ。
- 生産拠点: イタリア・メルフィ工場
- 登場時期: 2026年後半
- ボディサイズ: 全長約4.7m(BMW 4シリーズクラス)
- 航続距離: 最大700km(EV仕様・WLTP換算)
- デザイン哲学: 「Pu+Ra(Pure and Radical)」=円と三角を基調にした新ランチアデザイン
🌍 「ランチア・ルネサンス」計画の中核モデル
ランチアは、ブランド再生10年計画「Lancia Renaissance」を推進中。
その第一弾が2024年の新型Ypsilon、第二弾がこのGamma、第三弾が2028年に登場予定の新型Deltaだ。
加えて、ランチアはヨーロッパ主要市場(フランス・ドイツ・スペイン・オランダなど)へ再上陸。
新しい販売拠点「Lancia Houses」を通じ、上質で静謐なブランドイメージを再構築中である。
🪶 持続可能な上質──リサイクル素材70%のインテリア
ランチアがこだわるのは“静かな美しさ”と“持続可能性”。
新型ガンマの内装は、素材の 70%以上がリサイクル由来 で構成される予定で、ヴィーガンスエードや再生PETファブリックを多用し、エコでありながらラグジュアリーな質感を実現。
この思想は、クラシケ的な「オーセンティック(真正)」への回帰とも共鳴し、クラシックの価値を未来的素材で再定義する──それが今のランチアの挑戦である。
🏁 ガンマが目指す場所
マセラティが「情熱と力強さ」でブランドを体現するなら、ランチア・ガンマは「知性と静けさ」で勝負するだろう。
モータースポーツ的な華やかさよりも、上質な造形と走りの余裕。
電動時代のイタリアン・グランツーリズモとして、“Gentle Luxury(穏やかな贅沢)” という新しい価値を世界へ示すモデルとなるはず。
🧭 まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
モデル名 | Lancia Gamma(2026年) |
生産拠点 | イタリア・Melfi 工場 |
パワートレイン | EV/PHEV 併用(700km航続) |
プラットフォーム | STLA Medium |
デザイン | “Pu+Ra” 言語/ファストバックサルーン |
特徴 | リサイクル素材70%、静的エレガンス、欧州再展開の象徴 |
✍️ 編集後記
ガンマの復活は、単なるモデル更新ではなく「ランチアという文化」の再起動です。
70年代のエレガンスを現代のサステナビリティと融合させたこのプロジェクトは、イタリア車ファンにとって久々に心を震わせるニュースといえる。