ここのところマセラティはかなり勢いがある。筆者も乗っているグレカーレの登場は記憶に新しいが、間髪を入れずに登場したのが、このグラントゥーリズモだ。先代のグラントゥーリズモは2020年に生産を終了しているので、3年ぶりの復活となる。
やはりグラントゥーリズモはマセラティのラインナップにおける正統派なのだ。2ドアクーペ、4シーター、高性能エンジン、快適なグルージング性能、スポーツカーのパフォーマンス、エレガントなインテリアと居住空間、これらの要素を組み合わせれたクルマがマセラティ・グラントゥーリズモとなるのだ。1947年に登場したA6-1500から連綿と続いているこの方程式に沿って新型グラントゥーリズモは登場したのだ。
今回はジャパンラウンドと銘打って東京を最初に全国に、このグラントゥーリズモが回るので、お近くのディーラーでも見るとこができる。是非実車をご覧いただきたい。
筆者は1年前の9月にモデナの郊外を走るテストカーのグラントゥーリズモに遭遇、1台は白のカモフラージュのV6ネットゥーノを搭載したモデナかトロフェオバージョン、そして紺色のカモフラージュされたEVモデル・フォルゴーレに遭遇した。
そして今年、6月モデナ滞在中に、マセラティ・ファクトリーで動くグラントゥーリズモに会ってる。ショールームで見るより、実際は動いているグラントゥーリズモの方が遥かにインパクトはある。
先代モデルより全長が僅かに短くなったので、少し小ぶりになった感はあるが、ルーフラインは先代よりカーブがキツくなっている。かつテールラインやフロント及びリアフェンダーの盛り上がりが強調されて、筋肉質のイメージに変身して、さらに洗練度が増した感じだ。展示車両は20インチのアルミホイールを装備、フロントノーズの先端にエアダクトがあるが、これは目立たないようにデザイされているようだ、かつてシャマルや3200GTは明らかにエアダクトとわかるようなデザインだった。エアダクトはもはや田舎臭いのか。。。実はこの展示車はホイールとフェンダーの隙間大きく、写真でもわかる通りかなり目立ってたのが、これは後でその理由が判明した。
さて、インテリアは先代と同様に革のシート、トリムは何種類かのカーボンなどが選べるエレガントなインテリアだ。コックピットはこれはグレカーレと全く同じのデザインでありパーツは共有化されている。よってシフトノブは上下二つのモニタの間に、P、R、N、D/M、のスイッチが横並び配列されている。SUVのグレカーレはともかく、同じタイプのシフトノブにグラントゥーリズモは似合わないというか、使い勝手はどうなのかと疑問に思うのだ。この二つのモニタの使い勝手は、SUVとグラントゥーリズモでは、基本的に車高が違い、室内で着座位置も違うので、モニタに手を伸ばした角度も違うはずだ。そしてマセラティインフォテイメントは全てのモデルに装備され、アクティブセーフティシステムADAS2も全てのモデルに標準装備されている。モニタの表示される機能はグレカーレとほぼ同じだが、メーター内に表示されているナビ表示のデザインはグレカーレより進化したデザインとなっている。ここで先ほどのホイールとフェンダーの大きな隙間の謎が解決したのだ。それは車高調整のスイッチがあるのが分かったからだ。要するにこれは車高調整の機能が装備されているので、おそらく写真の車高の高さは一番高い位置のコンフォートモードになっているからだ。おそらく走行モードは、コンフォート、GT、スポーツ、コルサの4つのモードが選択可能なのであろう。デフォルトはGTモードのはずである。新型グラントゥーリズモから駆動システムはAWDになっている。これもグレカーレと同じだが、グレカーレはSUVなのでオフロードモードがあるが、流石にグラントゥーリズモはその設定は無いはずだと思う。またBEVのフォルゴーレはAWDなので、それに合わせて全モデルAWDなのだと思う。
しかし筆者は思う。果たして伝統のマセラティによるグラントゥーリズモにAWDが最適なのか??筆者のような古典マセラティファンは、グラントゥーリズモ的な走りは、コンベンショナルなFRによる前輪による操舵、後輪による駆動によってダイナミックなドライバビリティを提供するのが、真のグラントゥーリズモであると確信しているからだ。その是非は、この新型グラントゥーリズモの評価にかかっているのだ。
さて、この新型グラントゥーリズモだが、今予約しても納車時期は1年以上先になるとのことだ。どうしてもマセラティ・グラントゥーリズモに乗りたい人は、今すぐに予約した方が良いだろう。実車の試乗を待ってから予約するのでは、おそらく2年先の納車となるだろう。(昔は長くても6ヶ月ぐらいの納期だった)加えて、諸般の事情で価格改定は必ずあるはずだ。値上げは必須だろう。筆者のグレカーレでさえ1年間に4回の価格改定があったのだから。。。マセラティは予約した時の価格がそのまま適用されるので、その点は他メーカーより寛容だ。欲しい人は今すぐに予約が大事だ。