フェラーリが上場したのが2016年。それから8年が経過してその株価は、ほぼ10倍となっている。

このグラフ(日経新聞資料)を見ると一目瞭然であるが、時価総額は約17兆円と上場時の10倍超になり、自動車業界では米テスラトヨタ自動車に次ぐ。強みは高い収益性を誇るスーパーカーとして、全てのモデルが完売していることにある。だがそれだけでは無く注目材料は他にもあるという。実はハイブリッド車(HV)など電動車の販売比率がHVシェア世界首位のトヨタを上回ることだ。

創業から77年のフェラーリはスポーツカーやレースでの知名度が一貫して高い。かつては欧州ステランティスの前身企業の傘下で、上場時に再び独立した。初値で1兆円台だった時価総額は10倍を超え「テンバガー」株になった。時価総額はテスラ(101兆円)とトヨタ(51兆円)に次ぐ業界3位で、ステランティス(10兆円弱)より大きい。

高評価の背景には超富裕層のステータスカーとしての絶対的な地位と、高い採算性にある。23年12月期の売上高は59億ユーロ(期中平均レートで約9000億円)、純利益は12億ユーロ(同1900億円)と過去最高を更新した。売上高純利益率は2割を超える。1台あたり純利益はおよそ1400万円で一般的な量産メーカーの30〜50倍以上に相当するという。

証券アナリストのレポートによれば、今年の第1四半期業績は、売上高が前年同期比10.91%増の15億8500万ユーロ、純利益が同18.51%増の3億5200万ユーロに拡大した。総出荷数が3560台とほぼ横ばいだが、1割増収を記録したことになるという。地域別の出荷数は、中国本土・香港・台湾が20%減の317台、その他アジア太平洋がほぼ横ばいの673台にとどまる一方、欧州・中東・アフリカ(EMEA)が3%増の1573台、米州が4%増の997台に伸びた。全体の調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益、非IFRS)は13%増の6億500万ユーロに拡大している。

23年の新車販売は1万3663台と上場時から8割増えた。価格は、6月に発表した新型スポーツカー「ドーディチチリンドリ」で5674万円、人気車の「SF90スパイダー」で6000万円規模と高額だが、受注残は豊富で納期が1〜2年かかることも珍しくない。資産価値も高く、SF90スパイダーの認定中古車は定価を上回る価格がつく。さらに、イタリアの本社工場では「eービルディング」という生産拠点を新設した。投資額は約2億ユーロ(約340億円)とされる。同拠点ではエンジン車やPHV、EVを柔軟に生産できる仕組みを導入する。25年には同社初の完全なEVを生産・発売する予定で、26年にはEVも含めた電動車比率を60%に高める。

だがここに来て、一部のメディアが噂しているマセラティのフェラーリ・グループ入りは、本当にそうなるのか、現時点では定かでないが、フェラーリの今後の株価にも影響があるのか、引き続き推移をフォローしていきます。

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