マセラティ:経営不振であっても継続するのがマセラティだ(2)

マセラティは売られない ― CEOが明言したブランドの現状

ここ数カ月、「マセラティ売却説」が広がっていた。
ステランティスがブランド再編を進める中で、マセラティを切り離す可能性があるという話が欧州メディアを中心に出回っていたのだ。そんな憶測を断ち切る発言が、2025年9月7日、新CEOアントニオ・フィローザは記者団にこう語った。

「Maserati is not for sale.(マセラティは売却しない)」

短い言葉だが、明確に噂を否定した形だ。これで少なくとも現時点では、売却計画がないことがはっきりしたわけだ。


売却説が広がった背景

マセラティ売却の噂が最初に出たのは2024年末。
2025年に入ると「高級車部門の整理が進む」という報道が増え、市場関係者の間で不安が高まっていった。その時、6月にはマセラティCEOのサント・フィチリ氏が、「マセラティは売らない。設計も生産もイタリアで続ける」と表明していたが、それでも噂は消えず、疑念は残ったままだった。


今回の発言の意味

今回のフィローザ氏の発言は、憶測を断ち切るための重要な一手だ。経営トップが直接否定したことで、現場や投資家にとっても安心材料になるだろう。ただし、これはあくまで「今は売らない」という表明に過ぎない。中長期的にブランドをどう展開していくかは、まだ見えていない部分が多い。
モデナ工場の再稼働や、新モデルMCPuraの投入など、今後の戦略次第では再び議論が浮上する可能性もある。


これから注目すべきポイント

  • 年内に発表される新たな事業計画
    フィローザは「近く具体的なプランを示す」としており、その内容が焦点となる。
  • モデナ工場の稼働回復
    2025年前半の生産台数は低迷しており、年末にかけてどこまで改善できるかが課題。
  • 世界市場での立ち位置
    高級スポーツカー市場は競争が激化しており、マセラティがどこを目指すかが問われる。

まとめ

CEOが自ら「売らない」と明言したことで、売却説はひとまず終息した。
だが、ブランド再建の道筋はまだ途上にあると思う。モデナから再び世界へ、マセラティがどう進化していくのか、一旦冷静に見極める段階に入ったといも言える。今後の推移をフォローしていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください