2025年9月、イタリア北部のモッタローネ(Mottarone)で開催された**「TUTTO BENE Hillclimb」。

歴史的な名車から最新のスーパーカーまでが集うこの特別なイベントに、マセラティが新たな一台を引っ提げて登場しました。
その車こそ、世界初披露となるMaserati GT2 Stradale**です。


競技ではなく体験型イベントであるTUTTO BENE Hillclimbは、
**「Only cool cars allowed(かっこいい車しか参加できない)」**というモットーのもと、
世界中から集まったファンとメーカーが共に楽しむラグジュアリーな場として注目を集めています。
1. TUTTO BENE Hillclimbとは?
イベントの概要
- 開催地:モッタローネ(Mottarone)、イタリア北部・Stresa近郊
- ルート:歴史的道路「Strada Borromea」
- 距離:約7〜8km、ヘアピンカーブが連続する山道
- 形式:パレード形式のヒルクライム。タイム計測なし
- 参加台数:約80台のクラシックカーと現代スーパーカーが集結


「ヒルクライム」という名前ながら、競争ではなく走行体験を共有する場です。
参加車も観客も、ドライビングとデザイン、そしてカルチャーを楽しむことが目的となっています。
主催者とスポンサー
- 主催:BorromeodeSilva(デザインスタジオ)+Race Service(クリエイティブエージェンシー)
- スポンサー:Alfa Romeoが公式パートナーとして参加
- コンセプトワード:「Slow down to go fast(速さより豊かな体験を)」



2. 会場の雰囲気と体験
このイベントは単なる走行会ではなく、イタリアのライフスタイルを丸ごと味わえるフェスティバルです。
- 湖と山に囲まれた絶景のロケーション
- 走行後にはアペリティーボ(aperitivo)で参加者同士が交流
- クラシックカーから最新モデルまで、車両展示スペースも併設
- 「Only cool cars allowed」のセレクトにより、来場者は見るだけでも感動できる内容
まさに「速さではなく美しさを競う」イベントと言えるでしょう。
3. Maserati GT2 Stradale 初披露
今回もっとも注目を集めたのが、マセラティがこの場で世界初公開したGT2 Stradaleです。
GT2 Stradaleとは
- ベースはFIA GT2レース車両「MC20 GT2」
- レースカーの骨格を保ちながら、公道走行可能な仕様にアレンジ
- V6 Nettunoエンジンを搭載し、約630〜700馬力を発生
- 重量は1,250kg前後と、軽量化も徹底
公道仕様+レーシングDNA
公道でのナンバー登録が可能ながら、デザインは完全にレーシングカーそのもの。
ヒルクライムでは、迫力のサウンドと加速力で観客を圧倒しました。
観客の声:「サーキットから山道へ、魂をそのまま持ち込んだ車だ」
4. 参加メーカーと注目車両
TUTTO BENE Hillclimbでは、マセラティ以外にも数多くのブランドが登場しました。
- Alfa Romeo:Tipo 33/2 “Periscopica” などのヒストリックカーを展示
- クラシックフェラーリやランボルギーニの希少モデルも参加
- ストリートカーでは現行スーパーカーが多数走行
特にAlfa Romeoはスポンサーとして会場全体を盛り上げ、歴史的モデルと最新モデルを並べる演出で注目を集めていました。


5. イベントが伝えるメッセージ
電動化とハイテク化が進む現代の自動車業界において、
TUTTO BENE Hillclimbは**「クルマの本質的な楽しみ」**を再確認させてくれる場です。
- 車を速く走らせるだけでなく、美しさ、音、匂い、感触を楽しむ
- モータースポーツとライフスタイルを融合させる新しいイベントモデル
- メーカーとファンが距離なく交流できるコミュニティ空間


6. Maseratiにとっての意味
マセラティにとって、このイベントは単なる発表会ではありません。
GT2 Stradaleを「レーシングカーからストリートへ」というコンセプトで送り出す上で、
ブランドのアイデンティティを世界に発信する舞台でもありました。
GranTurismoやMC20といったロードカーに加えて、GT2 Stradaleという特別な存在が加わることで、
マセラティは再びモータースポーツとの強い結びつきを示しています。