1.「Gamma」はなぜ復活するのか――ランチア再生の象徴

2026年、ランチアは長い眠りから本格的に目覚めようとしている。その鍵を握るのが、新型 Lancia Gamma(ガンマ)。1970〜80年代にかけて「高級セダン」として存在したGammaの名が、2026年には “プレミアムSUVクーペ” として甦る。
Gamma は「ランチア復活のフラッグシップ」として位置づけられている。(Quattroruote, AutoEveryeye, Motor1.it)
ポイント:
Lanciaは2020年代、Ypsilon一車種のみの国内ブランドにまで縮小。
Gammaは、欧州プレミアム(Audi Q4, BMW X4級)へ再挑戦するための“象徴モデル”。
**2. 生産拠点は南イタリア・Melfi
STLA Medium を使う最初の Lancia**Gammaは Stellantis のメルフィ工場(バジリカータ州)で生産される。
これは実は大ニュースで、以下の意味を持つ。
・Made in Italy の再強化


ランチア復活には“イタリアで作る”ことが必須。
メルフィ工場採用はその意志の証明だ。
・STLA Medium 採用=最新世代電動アーキテクチャ
Motor1.it によれば、Gamma は STLA Medium(純EV向け) を使用。
700km級レンジの電動仕様が予定されている。
**3. デザイン:4.7m級の“Sportback SUV”
セダンのGammaとは別物。しかし現代的進化**、かつてのGammaはセダン/クーペだったが、
2026年Gammaは 4.7m級のプレミアムSUVクーペになる。AutoEveryeye.it では「“4.7 metri”、sportback」と明確に報じられている。


SUV化は裏切りか? → イタリアでは肯定的評価が多い
理由はシンプル。
今、欧州プレミアムで最も競争力があるのはSUVクーペ帯だからだ。
> BMW X4
> Audi Q5 Sportback
> Peugeot 3008(Stellantis内)
ここに「Lanciaの美学」をぶつけるのがGammaの役割。
4. パワートレーン構成:EV+ハイブリッドの二本柱
EV(電動モデル)
- 700km級航続(AutoEveryeye報道より)
- STLA Medium のフル機能
ハイブリッド
- 1.2Lターボ(PureTech系)+48V
- プラグイン版の可能性も指摘(Motor1.it)
ランチアは「フル電動」志向だが、
市場実情に合わせて ハイブリッドも併売。
“現実的ランチア”という点が興味深い。
5. Lancia のブランド戦略:Gamma の真の狙い
Gammaは単なる新型ではない。
(1)ランチアを再び欧州プレミアムへ送り返す“旗印”
今のランチアは事実上 Ypsilon のみ。
Gamma は上級セグメントへ再参入する実質的な「再旗揚げ」。
(2)デザインDNA復活
・Pura(純粋さ)
・Eleganza(優雅)
・Semplicità(簡潔)
この三つを Gamma が体現する、とイタリア国内紙が伝えている。
(3)欧州市場での販売再開の核心モデル
ランチアは2024年以降、
・フランス
・ドイツ
・スペイン
・ベルギー
などでの販売再参入を進めている。
Gamma はそれら市場へ送る“看板モデル”となる。


6. 潜在リスク:イタリア現場の“温度差”
・メルフィ工場の稼働状況
過去に稼働調整や部品供給問題が多かった工場。
Gamma の量産が軌道に乗るかは注意点。
・SUV化への賛否
歴史的“Gamma”ファンには複雑な声もある。
ただ、市場論理では成功し得る。
7. 総評:Gamma は“Lancia Revival”の狼煙そのもの
EV・ハイブリッドを兼ね備え、
Made in Italy を掲げ、
SUVクーペのプレミアム帯で戦う。
この構図は、
「ランチアは本当に戻ってくる」
という強いメッセージだ。
