今月5日に誕生日だった、イタリア女優ステファニア・サンドレッリは78才を迎えた。
ステファニアの長いバイオグラフィーに、1963年に制作された「La Bella di Lodi」(直訳するとローディの美女)という映画がある。主役はステファニア・サンドレッリ。当時17才。美過ぎる…、というより、めちゃ可愛い🩷。現代にそのまま出演してもなんの違和感もない。(左が60年前のステファニア・右は現在のステファニア)
この映画に何故に興味があるかというと。1960年代の北イタリアの日常生活の中にスポーツカーがいっぱい登場するのだ。ステファニア・サンドレッリが乗っているスポーツカーが、白いアルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダー(左と中央)だ。 そしてお友達が乗っているアルファロメオは2600スパイダートゥーリング(右)。
物語は金持ちのロベルタ(ステファニア・サンドレッリ)とフランコという自動車整備士はある夏の午後、マリーナ・ディ・ピエトラサンタ近くの浜辺で何気なく出会った。 ふたりは北イタリアのモデナ、ボローニャ、ヴェネツィア、ローディなど、さまざまな場所で情事を繰り広げる。 ロベルタは、恋人の近くにいるために高速道路のモーテルにしばらく住み込み、恋人を成熟させ、ブルジョワの企業家としての世界に引き入れ、自動車産業の経営者にしようとする。フランコは自動車工場で働いているので、いろいろな自動車が出てくる、アルファロメオ、フィアット、ランチアなどイタリア車だ。下の写真には工場にランチア・フラミニア・ベルリーナ、フラビア・クーペらしきクルマが写っている。場所は特定できないが、ボローニャ、パルマ、モデナか、この映画のタイトルにあるローディ辺りだと思われる。
筆者の注目の的は実は 、マセラティ・3500GTスパイダーの登場であったのだ。これがその1シーンだ。
テストドライバーとおぼしき男が、3500GTを全開走行をさせている。サーキーット場であることは間違いないが、おそらくこのサーキットは今は無い。場所は現在公園になっているところで、エンツィオ・フェラーリ公園だ。
更に興味深いことは、ロケ場所も判ってきた。いずれの写真も1963年と現在を対比させたので、ご確認ください。
下の写真は世界遺産のモデナ大聖堂の正面にピアッツアグランデから見た写真だ。
左、1963年のピアッツアグランデ、右は現代のピアッツァグランデ
下の写真はピアッツァローマで1963年と現代の写真は見ている方角は違うが、チロメノッティの記念碑が建っていることで判る。
ステファニア・サンドレッリといえば、「暗殺の森」「1900年」などイタリアを代表する国際的な女優だが、この映画では、デビューしたての頃に出演したB級イタリア映画だ。
実はこういう映画にこそ真の日常のイタリアがあると思う。この映画を作った監督もおそらくクルマ好きだったに違いない。