プーリアの春を、レンタカーのフィアット500ラウンジと共に駆け抜ける。今回のルートは、カステラネータを起点に、東の「白い街」オストゥーニへ。そして帰路には世界遺産アルベロベッロへと立ち寄る、イトリアの谷を象徴する極上のドライブルートだ。
1. 丘陵を抜ける、至福のドライブルート


出発地のカステラネータからオストゥーニまでは、プーリアの背骨を横断するように走る。ウィンドウを全開にすると、車内には乾いた土の香りと、どこまでも続くオリーブ畑を吹き抜ける風が流れ込んでくる。カーエアコンは不要だ。イタリアでのドライブは、単なる移動ではない。緩やかなカーブが続く丘陵地帯、時折姿を現す石造りの小屋「トゥルッリ」、そして銀色に輝くオリーブの葉。アクセルを踏み込むたびに、車がこの土地の呼吸と同期していくような感覚に陥る。
2. 「Città Bianca」の眩い迷宮



前方の丘の上に、眩いばかりに真っ白な街並みが姿を現した。それが「白い街(La Città Bianca)」**オストゥーニ(Ostuni)**だ。街の入り口でEasyParkを起動し、スマートに駐車を済ませて旧市街へ。強い日差しを跳ね返す石灰塗りの壁、迷宮のように入り組んだ階段。その頂にある大聖堂(カテドラル)を仰ぎ、テラスから紺碧のアドリア海を望む。白と青のコントラストは、この土地を訪れる者への最高のご褒美だ。






3. イトリアの谷、お伽話の風景へ


オストゥーニを後にし、次に向かったのはアルベロベッロ(Alberobello)。
帰路の途中に位置するこの街が近づくにつれ、車窓を流れる風景に変化が現れる。点在していた「トゥルッリ」が密度を増し、気づけば数百ものとんがり屋根が並ぶ不思議な光景の中へと吸い込まれていった。石灰岩を積み上げた円錐形の屋根、白い漆喰の壁。


まるで時間が止まったかのようなこの街を歩くと、数百年続く人々の営みの知恵と、素朴な美しさに圧倒される。観光客で賑わうエリアを少し離れ、路地に差し込む夕光に照らされた屋根を見上げると、この旅の豊かさを改めて実感せずにはいられない。
4. 旅の相棒と共に、カステラネータへ
夕暮れ時、再びハンドルを握りカステラネータへの帰路につく。
イタリアの古い街並みには、どんな車も美しく映える。たとえそれが最新のレンタカーであっても、歴史ある風景の一部として馴染んでしまうのは、この国の持つ不思議な磁場ゆえだろう。
爽快なドライブ、白光の街、そしてお伽話のような石の村。
プーリアの風を切りながら走った今日の記憶は、エンジンを切った後も、心地よい余韻として残り続けている。
