バロックの極致へ。カゼルタ宮殿で「銀河の記憶」を辿る

もうすぐ終わりに近づいたイタリアの旅ですが、世界最大の宮殿とも称されるカゼルタ宮殿を訪ねた。
広大な庭園と、ナポリ王国の富を象徴する豪華絢爛な内装。それは、これまで駆け抜けてきたバジリカータの荒々しい自然とは対照的な、究極の「計算された美」の世界と言える。

ゴルフ場をも飲み込む、桁外れのスケール

この宮殿の凄まじさは、一歩足を踏み入れればすぐに分かる。総面積は約45,000平方メートル、部屋数は1,200を超え、その規模は一般的なゴルフコースが丸ごと数か所収まってしまうほどの広大な敷地を誇るのだ。

1997年にユネスコ世界遺産に登録されたこの地は、18世紀に建築家ルイージ・ヴァンヴィテッリが「ヴェルサイユ宮殿を超える」という野心のもとに築き上げたバロック建築の最高傑作。宮殿から一直線に3キロ以上も続く「水の道」と大噴水群を眺めていると、当時の王権が誇った圧倒的な権力が、単なる建物ではなく「風景そのもの」を支配していたことを実感するのだ。

憧れの「銀河の階段」:惑星ナブーへの入り口

映画ファンとしての楽しみも、この壮大な舞台では格別で、ここカゼルタ宮殿は、映画『スター・ウォーズ エピソード1・2』のロケ地として、惑星ナブーの王宮シーンに使用されている。

主階段(スカラ・レアーレ)に一歩足を踏み入れた瞬間、あのクイーン・アミダラが歩いた荘厳な光景が現実のものとなるのだ。見上げるほどに高い天井、緻密な装飾が施された大理石の柱、そして完璧な対称性が生み出す静謐な空間。CGの世界だと思っていたあの「銀河の美学」が、18世紀のイタリアに既に完成していたという事実に、驚愕の印象を受けた。

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