久しぶりのスパイダーネタです。いつものようにスパイダーのコクピットに滑り込み、さあV8を目覚めさせようとセンターコンソールに手を伸ばした時のこと。
「ポチッ……いや、スカッ?」
指先に伝わる、あの不吉で、妙に軽いプラスチックの感触。
「あ、また壊れた……。」
そうです。あのデリケート極まりない「ENGINE START」ボタンが、またしてもへそを曲げてしまいました。ボタン内部のプラスチックの爪や電気接点が逝ってしまったようです。これで二度目のサプライズ。
1度は何とか内部の部品を修復してもらって1万円でお茶を濁した。しかし、やはりその場凌ぎは長く続かず4ヶ月でダメになった。4ヶ月とは言え、スターターボタンを押した回数は10回もないだろう。もはや選択肢はボタン単体か、アッセンブリー交換のパネルごと探すかしかない。
マセラティ・ジャパンには当然のごとく在庫はなし。本国取り寄せを調べても、ボタン単体(品番: 208478)はバックオーダー扱いで、いつ届くか分かったものではありません。
さらに10月にはクラシケの認定にも受けなければならず待ったなしにおいこまれたので、兎に角見つけたら買わなければならない。。。
このボタンは構造上、表の青い丸ボタンだけをパコッと外して交換することは不可能。結局は、裏側のスイッチや配線、基盤まで一体となった「スイッチアッセンブリー」を丸ごとゴソッと交換するのが正攻法。
そこで今回は、ボタン単体を探すのは諦め、いっそのことコンソールのスイッチ類が一式セットになった**「スイッチパネル・アッセンブリー(丸ごと交換用)」**を世界中からネットサルベージすることになった。
アメリカの老舗「MIE」や、イギリスの「Eurospares」などのマセラティ専門店を片っ端から調べましたが、やはりどこも新品は「NLA(生産終了・在庫なし)」。
目を皿のようにして世界中のオークションや解体市場を探し回った末、イギリスの優良サルベージ業者(shack-parts)がeBayに出品している、実働のグランスポーツから取り外されたスイッチパネル・アッセンブリーを発見!


掲載された現物写真を見ると、表面の文字ハゲも少なく、何より裏面のデリケートな白いプラスチック製の固定爪やコネクターピンが完全に無傷で残っている極上品。
お値段は国際送料や関税、手数料コミコミで**「約8万円」**。
「中古のスイッチパネルに8万円……?」と思われるかもしれないが、実はこれ、ものすごいリーズナブルな価格なのだ。
このパネルアッセンブリー、当時の国内正規新品価格は11万〜15万円オーバー(グランスポーツ用の高額仕様)。現在ではメーカー生産終了に伴うプレミア化が進み、海外の中古市場でも本体だけで9万〜15万円の強気なプライスが当たり前。いつもの御用達のカロッツェリアカンパーナにも勿論聞いてみたところ相場は15万円前後だった。
現物を手に取って裏側をくまなくチェックしましたが、本当に素晴らしいコンディション。カプラーのピンもピンと立っており、プラスチックの劣化もありません。この極上アッセンブリーが送料込み8万円で手に入ったのは、世界のパーツ市場の現状を考えても、まさに「大勝利」の買い物でした。
装着と交換の様子は、また次回の記事でレポートします!
