モデナの夏、アフリカの熱風と跳ね馬のスウィング。8年前の二日酔いと2026年最新ジャズフェス

筆者が8年前にモデナで暮らしていた頃、今年の様に6月、7月の昼間はまさに地獄だった。

アフリカからの大熱波シロッコが容赦なく街を包み込み、犬一匹歩かない酷暑となる。しかし日没の21時を過ぎると、歴史ある石畳は嘘のように涼しい社交場へと変貌するのだ。イタリア人の本当の一日は、この夜から始まる。

あの頃、筆者は熱風をやり過ごした夜の解放感に身を任せ、友達と明け方3時まで外で呑み明かした。当時は飲み屋街(イタリアではバールとは言わない。アペリティーボから深夜まで空いているパブやロカーレと言う。バールは朝食の時にカプチーノとコルネッティをとるところ。)の混雑ぶりは、まるで東京の新橋さながら。狭い路地に人々が溢れ返り、熱気と笑い声が夜空に溶けていく。当然、翌朝の授業には最悪の二日酔いで遅刻する羽目になったが、それも含めて愛おしい夏の記憶である。

今年2026年7月13日、その思い出の夜に新たな歴史が刻まれる。欧州屈指の巨大音楽フェス『ジャズ・オープン』がイタリア初上陸を果たすのだ。ダイナ・クラールらが集うローマ広場のこの祭典、実は「エンツォ・フェラーリ生家ミュージアム」が筆頭パトロンとして全面支援している。

昼はシャッターを閉めて熱をやり過ごし、夜は新橋のごとき熱気の中で冷えたワインを片手に至高のジャズに溺れる。エンジン音なきモデナの夜もまた、最高に狂おしく、エモーショナルだ。

Jazz Open Modena 2026

Museo Enzo Ferrari

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