2026年5月25日にフェラーリ初の量産EV「Luce(ルーチェ)」が発表された直後、市場は「爆音を失った1,000馬力超・55万ユーロ(約64万ドル)のEVが本当に富裕層に受け入れられるのか」という懐疑論から、翌26日に株価が約7〜8%急落する局面があった。さらにその後、マーケティング責任者の交代(CMOの刷新)なども重なり、一時的に上値の重い展開が続いた。
しかし、6月後半から7月現在にかけて、以下のようなポジティブな要因が重なり、株価は驚異的なV字回復を遂げている。
- 強固なファンダメンタルズの再評価: 2027年末まで埋まっているバックオーダー(受注残)や、51%を超える驚異的な売上高総利益率といった圧倒的なブランド力があらためて意識された。
- 大手証券会社の格上げ: 6月中旬にモルガン・スタンレーが投資判断を「オーバーウェイト」に引き上げたほか、直近(7月2日)にはUBSが「Luce発表後のプルバック(押し目)から株価は完全に回復した」として、目標株価を483ドルから497ドルへ引き上げ、買い推奨を継続している。
- 自社株買いの継続: フェラーリが進めている35億ユーロ規模の自社株買いプログラム(6月最終週だけでも約6万2000株を買い付け)が下値を強固に支えた。
当初は「EVへのシフト」に対するアレルギーや警戒感から売られたものの、蓋を開けてみると「既存のフェラリスティだけでなく、新しい富裕層顧客からも強い関心を集めている」という実態が伝わり、市場の動揺は一過性のものとなった形。7月30日に予定されている第2四半期決算への期待感も、現在の回復を後押ししている。
しかし、やはり跳ね馬の底力は桁違いで、ここ数週間で市場の空気は一変し、株価は見事なV字回復を遂げて急落前の水準をほぼ「全戻し」となった。
背景にあるのは、2027年末まで完全に埋まっているという圧倒的なバックオーダー(受注残)と、51%を超える驚異的な売上高総利益率という、他メーカーの追随を許さない冷徹なまでのブランド力。さらに、新型EVにおける「既存の296シリーズからのアルミ配線流用による20%の軽量化」といった、極めて合理的な開発効率の高さが改めて評価されているのだ。
そして本日、世界的な投資銀行であるUBSが「Luce発表後のプルバック(押し目)から株価は完全に回復した」として、目標株価をこれまでの483ドルから一気に「497ドル」へと引き上げ、買い推奨を再確認されている。当初のアレルギー的な売りは、蓋を開けてみれば単なる「絶好の押し目」に過ぎなかったわけだ。

筆者はこの一連のドラマをじっと見守りながら、このタイミングで2週間にかけて「NISAへの大移動」を断行した。長年、特定口座(課税口座)で保有していたフェラーリ株(RACE)を、すべて新NISA口座(成長投資枠)へ移行を完了した。一度売却して買い直すにあたり、キャピタルゲインへの課税という一時的なすり減りは発生したものの、長期的な配当を無税で丸ごと受け取るためのNISAへの移行だ。結果的に、今週のUBSによる目標株価引き上げと完全回復の波が来る直前、まさに「グッドタイミング」の移動となった。これで筆者のフェラーリは、税金のかからない最も居心地の良い特等席に無事収ったわけだ。
7月30日に予定されている第2四半期決算への期待感も高まる中、これからもマロネッロの次なる一手を楽しみに、じっくりとこの贅沢な銘柄をホールドしていく所存である。
※免責事項:本記事は個人の投資体験および備忘録を綴ったものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の最終決定はご自身の判断と責任において行っていただけますようお願いいたします。
